その日君は笑った

mahiro

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作戦会議

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「で?何を手伝えって?」



不機嫌丸出しの宝生の彼氏の前には、見慣れない飲み物が置かれている。
どこに行けばそんなカラフルな飲み物が入手できるんだ。


「それなんだがな」


宝生はさっき俺と宝生が話した内容を伝えた。
それを聞いた宝生の彼氏の目が段々と鋭くなっているのは気のせいだろう、きっと。


「何するつもりだ、お前」


「決まっているだろう。こちらも振り回してやるのさ」


宝生の作戦はこうだ。
真宮は俺に近付き、真宮の本当の目的を達成させようとしているのであれば、近付けさせなければ良いのではないかと。
そうすることで目標がなかなか達成できず、苛立ちを見せ本心を見せるだろうというものだ。


「いつまでも真宮の思い通りになどさせぬよ」


「近付けさせないって言っても四六時中一緒に居るわけじゃねんだから無理じゃね?」


「何を言う。だからこそお前の出番よ。孝介が大学にいる間は俺が側にいるから問題はあるまい」


まさか、それ以外の時間は宝生の彼氏に真宮を監視させるつもりか?
それはいくらなんでも申し訳ないだろう。


「いや、宝生?それは申し訳ないというか…」


「こいつが真宮を連れてこなければ起こらなかったかもしれないことなのだから気にするまい」


そうかもしれないけど、俺のために宝生の彼氏まで巻き込むのは忍びないし、これ以上睨み付けられたくないのだが。


「それに俺の友人が困っているのだ。俺の彼氏である北嶌が手助けしないわけがなかろう」


「誰も手伝わねぇとは言ってねぇよ。けど、そんなんであいつの化けの皮剥がれるかね」


「人間、いつかボロが出るものよ。まぁ、やってみてのお楽しみだ。出来れば良い結果が出て欲しいものだな」
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