やっと、

mahiro

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「やっぱりな。何で男装なんかしてんだよ」


性別関係ないって部分には触れないのか。
私なら絶対男だったら世話役にしなかったし、側に置かずに国から出してただろ、と言ってしまう所だった。


「ひとりで城から出るときは色々と便利なんで」


「ひとりで出たら危ないだろ。護衛つけろよ」


「いえ、世話役に護衛はつかないかと」


貴族のときも護衛なんかつけたことありませんけどね。
つけろと言われたこともないし。
つけられたこともないし。


「なら仲間を連れていけ」


「いや、こいつが女だと分かった途端何なの?」


「心配になるだろ」


「いや、ならねぇよ」


本当にどうした、ルネ王子。
面倒見の良い人ではあったけど、私にそう接するなんて会ったばかりのときだけ、いや、会ったばかりのときもここまでではなかった。


「あのルネ王子、ご心配いただきありがとうございます。そこまで心配されずとも今までこの格好で出掛けていて問題は起きておりません」


「今までは、な。俺みたいにミュライユが女だと分かったらちょっかい出してくるかもしれないだろ」


「心配し過ぎだ。本人も大丈夫だって言ってるんだから大丈夫だろ。それに俺の国は治安悪くねぇから大丈夫だっての」


ノエリア王子が呆れながらそう言うと、ルネ王子は一度開いた口を閉じた。
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