幸せの鐘が鳴る

mahiro

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「………もし、君が『ロラン』だったとしたら記憶がないのは俺のせいかもしれない」


さっきまで黙っていたソロモンは落ち込んだ声でそう言った。
いや、ソロモンは何も悪いことしてないんだけど……ってこれ、実は覚えてるんです!って白状させるための演技か?
だとしたら引っ掛かるわけにはいかない。


「それは謝りたいと仰っていたことと関わりがあるのですか?」


「そうだ」   


いつまで続くか分からない演技?だけど、最後まで付き合おうかな。


「いや、セレクトは何も悪くない。俺が自分のことしか考えていなかったのが悪かったんだ」


「いや、俺が悪かったんだ」


あれ、私が『ロラン』かじゃなくて誰のせいで記憶がなくなったのかって話にシフトし始めてるぞ。
私は何も言ってないのにおかしいな。
まさか、これも策略か。

そうは行かせないぞ、と思いながら横を見るとキョトンとした表情のマナ王子と目があった。
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