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ジュリアが私に駆け寄ってきたのは、私がロランに似ていたからだったのだろうな。
でも、アンドレは最期の願いを聞き入れた人物として認識されていると思うが、己を一度は傷付けた人物だ。
会いたくはない人物だろう。
ソロモンだって、最愛の人を殺めた張本人に会いたくはないだろうに、何故二人は嫌な顔一つ見せないのか不思議でならない。
「お二人はロランさんを探されているのですか?」
マナ王子、それを聞いてどうするつもりなんだ。
「はい。もう一度会って話がしたいです」
「俺も会って話がしたいです」
二人ともどうしたというのか。
私は会いたくもないし、話すことなんて何もないぞ。
「でしたら、俺にお任せください。必ずや探してみせます」
何を言っているのかな、この王子は。
まさか、それが英雄に近付く一歩になるとでも思っているのか?
それは違うぞ、と声を大にして言いたい………怪しまれるから言わないけど。
「まぁ、ありがとうございます。マナ王子殿下。実はこの二人、任務をしながらずっとロランのことを探し続けていたのですが、結局見つけられず困っていたのです。どうかお力をお貸しください」
ジュリア、やめてくれ。
頼まないでくれ。
「勿論です。お任せください」
マナ王子も胸張って答えるのはやめてくれ………。
でも、アンドレは最期の願いを聞き入れた人物として認識されていると思うが、己を一度は傷付けた人物だ。
会いたくはない人物だろう。
ソロモンだって、最愛の人を殺めた張本人に会いたくはないだろうに、何故二人は嫌な顔一つ見せないのか不思議でならない。
「お二人はロランさんを探されているのですか?」
マナ王子、それを聞いてどうするつもりなんだ。
「はい。もう一度会って話がしたいです」
「俺も会って話がしたいです」
二人ともどうしたというのか。
私は会いたくもないし、話すことなんて何もないぞ。
「でしたら、俺にお任せください。必ずや探してみせます」
何を言っているのかな、この王子は。
まさか、それが英雄に近付く一歩になるとでも思っているのか?
それは違うぞ、と声を大にして言いたい………怪しまれるから言わないけど。
「まぁ、ありがとうございます。マナ王子殿下。実はこの二人、任務をしながらずっとロランのことを探し続けていたのですが、結局見つけられず困っていたのです。どうかお力をお貸しください」
ジュリア、やめてくれ。
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「勿論です。お任せください」
マナ王子も胸張って答えるのはやめてくれ………。
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