幸せの鐘が鳴る

mahiro

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一番この場に慣れていないであろう私に言われても説得力がないと思うだろうが、万が一に備えるのもマナ王子のいう英雄への第一歩なのではないだろうか。


「そう、なのですね。勉強になります。貴女はこういった場所に慣れているのですか?」


「………慣れていませんが、何度か参加したことがあります」


副騎士団長として、だけれども。
そういえば、周りは華やかな格好をしているのに私だけ薄汚れたマントを被ったまま来てしまったな。
場違いにもほどがある、と思っていた所に先ほど視界に入ってきた人物が私の目の前に立った。
その人物は華やかなドレスを身をまとい、可愛らしい見た目のお嬢様だった。
もしかしてマナ王子の知り合いかとマナ王子へ視線を送るも首を傾けられた。
これは知らないってことで良いのだろうか。


「あの少しよろしいですか?」


お嬢様は見た目と同様に可愛らしい声で声をかけてきて、何故か私の手を掴んだ。


「え」
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