幸せの鐘が鳴る

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こうして城に戻って来たということは、あの二人と直接会うことにしたということ。
だとしたら、私が出来るのはここまでだ。


「では、私はここで失礼させていただきます」


「え、あの二人に会ってからでも良いのではないですか？」


「いえ、私は庶民ですし、英雄のお二人と直接お会いするわけにはいきません」


「それならば俺の友人としてはいかがですか？」


友人を連れて行っても良い場なのだろうか。
いや、よくないだろう。


「お気持ちはありがたいですが……」


そもそも友人じゃなくて、たまたま知り合った人物ってだけで赤の他人に誓い関係性なのだが。


「あ、王子！戻られたんですね！」


そこへ急に部屋に入り込んできたメイドのひとりが勢いよく部屋に入り込んできたかと思えば、マナ王子の着替えを颯爽とさせ、強引に腕を掴んで部屋の外に向かおうとした。
それに慌てたマナ王子は静止を促すが一切止まらず、メイドに捕まれていない方の手で私の手首を掴んだ。


「あ」


抵抗する間もなく、半強制的に部屋を連れ出され、更には撒かれたであろう護衛も合流し、二人がいる会場へと連行された。