幸せの鐘が鳴る

mahiro

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人混みをくぐり抜け、狭い通路を抜け、大通りには出ずにたどり着いたのは城の裏門に当たる位置で、そこには勿論警備の人たちが数人立っている。


「おい、どうやって中に入るつもりだ?監視の目を潜るにも人数が多いぞ」


「?逃げも隠れもしませんよ。そのまま正面から行きます」


そうだ。
この青年は城に用があって来たのだから隠れる必要がなかったのだった。
隠れるのが週間となりすぎて忘れていた。
だとしても、何故正面ではなく裏門なのだろう。


「なら何で裏門なんだ?」


「正面は今、あのお二人を迎え入れるために様々な人たちが集まっていますから、敢えてこちらから入ることにしたんです」


「あ、そうか」


そうだ。
あの二人もここへ向かっているのだから、そうだよな。


「ほら、一緒に行きましょう」


手首を引かれながら青年の後をついていくと、裏門の前に居た警備の人たちが何故か慌て出し、敬礼する者たちまでいた。
え、もしかして、この青年ってただ者ではないのか?
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