オレに触らないでくれ

mahiro

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お兄ちゃんは二人だけのお兄ちゃんです

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それからはドタバタとした日々が続いた。
お祝いパーティーやら、卒業式やら物件探し等々。
そんな新生活を迎えようとしたとき、日夏に泣かれた。
オレが日夏だけのお兄ちゃんではなくなった、と。
誰から聞いたんだそんなこと。


「オレは例えこの家に住んでなくとも日夏と幸輝だけのお兄ちゃんだぞ?」


「宮永お兄さんが言ってたもん!お兄ちゃんはもう宮永お兄さんのだって!」


「ん?!」


まさかの宮永から言われただと?!
忙しいなかでも宮永とは毎日会ってリハビリとして握手したり、腕に触れられてみたりとしているが何も言われませんでしたけど?!


「まぁ、何だ…これからルームシェアする仲間って意味で言ったんじゃないか?」


「違うもん!もう日夏だけのものじゃないって言われたもん!」


個人的には宮永にそんな風に思われてるなんて幸せだなぁとか思っちゃうけど、そうじゃない。
そこじゃないんだよ、オレ。
どうやって日夏を納得させるんだよ。


「えぇ…とだな、確かに日夏だけのものではないけど、オレは日夏と幸輝だけが唯一の兄妹だぞ?」


何当たり前のこと言ってるんだよ、って思われるかもしれないけど、日夏と幸輝でしか得られない立ち位置なんだぞっていうのが何となくでも伝わってくれ。
その一心でそう言えば、日夏は泣き止みました。
良かった良かった、と思って胸でを撫で下ろした。
これで家を離れても大丈夫かと思ったら、まさかの家を去るまで幸輝がオレから離れなくなりました。
可愛い弟と妹を持ててお兄ちゃんは幸せ者です。
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