オレに触らないでくれ

mahiro

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オレには分かりません

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救世主が現れる、と思ったらまさかの。


「日夏、好きなら兄貴を困らせちゃ駄目だろ」


オレの斜め前に居たであろう宮永がオレの真横にしゃがみこみ、日夏の頭に手を伸ばして豪快に頭を撫でたのが目に入った。
その横顔を盗み見見るに、怒っているようには見えない。
見えないだけで内心怒ってるかもしれないけどな。
オレが宮永の立場なら間違いなく怒ってると思う。


「こまらせてないもん!」


「そうかい。なら、日夏の兄貴の顔をもう一度よく見てみな。俺には困ってるようにしか見えねぇぜ?」


「こまってないよね、おにいちゃん!」


そう言われて日夏はオレの顔を見てきたけど、この状況からして困らないわけがないんだよ、日夏。
これで宮永が絡んでなければ、素直に喜べたと思う。
日夏に大好きって言われるの嬉しいし。


「ううん、お兄ちゃん嬉しすぎてちょっと困っちゃったかな。でも、日夏。お兄ちゃんね、日夏をお嫁さんに迎えなくてもいつまでも日夏のお兄ちゃんで居続けるし、誰のものにもならないと思うから安心してよ」


「ほんとに?ひなだけのおにいちゃんでいてくれるの?」


「いるよ。日夏が望むなら」


そう伝えるとまた号泣させてしまったけど、これは嬉し涙だから良いよな。


「………誰のものにもならない、か」


ボソッと隣からそう聞こえて宮永の方を見れば、何故かオレをじっと見る宮永がいた。
え、何その視線。


「さ、さぁ、幸輝君を迎えに行こうよ。きっと待ってるよ?」


そこへ杉本が入り難そうに言ったことによって、オレは幸輝の存在を思い出し、日夏を杉本と宮永に頼み一度体育館のロッカーで制服に着替えてから、皆で幸輝を迎えに行ったら驚かれました。
そうだよな、いつも迎えに来るとしたらオレと日夏だけだもんな。
さっきまで泣いていた日夏に関しては、宮永に抱っこされて寝てます。
泣き疲れたのと、久しぶりに長い間外に出て疲れたんだと思う。
宮永は怒ってると思ったんだけど、そうでもないような気もする。
宗方が見たら違うだろって言うかもしれないけど、オレには残念ながら分かりません。
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