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元哉がそう言うと本当にお互いが爺さんになっても側にいてくれそうに思えるのですが、元哉を信じきれない僕も僕の中には確かに存在しているのです。
それはきっと、元哉の側にいる間、ずっと居続けるのでしょう。
「そんな相手を見つけられて、出会えて良かったな、元哉。もし、恋人から許可得たらいつでも会いに行くから言ってくれよ」
思考が暗くなっていた所に涙で顔面がべしゃべしゃになった元哉の父親が、奥様から貰ったハンカチをきつく握りしめ言いました。
瑠璃も和久も奥様もその言葉には何度も頷いておりました。
「あぁ、分かった」
いつも冷たい態度を父親に返していたにも関わらず、今だけは、瑠璃たちと接していたときと同じ声音で返答を返していました。
ここだけは真面目に返したい、ということなんですかね。
「さて、我が息子の恋人のことが知れたし、今日のところは帰るか。肝心の恋人と会えなかったのは非常に残念だったが………次の機会にその楽しみはとっておくことにしよう」
涙を盛大に拭ったかと思えば、いきなり立ち上がり、そう言って笑った元哉の父親の表情が僅かに元哉が笑ったときの表情と似ていました。
それはきっと、元哉の側にいる間、ずっと居続けるのでしょう。
「そんな相手を見つけられて、出会えて良かったな、元哉。もし、恋人から許可得たらいつでも会いに行くから言ってくれよ」
思考が暗くなっていた所に涙で顔面がべしゃべしゃになった元哉の父親が、奥様から貰ったハンカチをきつく握りしめ言いました。
瑠璃も和久も奥様もその言葉には何度も頷いておりました。
「あぁ、分かった」
いつも冷たい態度を父親に返していたにも関わらず、今だけは、瑠璃たちと接していたときと同じ声音で返答を返していました。
ここだけは真面目に返したい、ということなんですかね。
「さて、我が息子の恋人のことが知れたし、今日のところは帰るか。肝心の恋人と会えなかったのは非常に残念だったが………次の機会にその楽しみはとっておくことにしよう」
涙を盛大に拭ったかと思えば、いきなり立ち上がり、そう言って笑った元哉の父親の表情が僅かに元哉が笑ったときの表情と似ていました。
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