紹介なんてされたくありません！

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呆れてる僕に対し、元哉の家族は驚いているように見えました。
何に驚いているのでしょうか。
元哉の言動はいつものことでしょうに。


「驚いた……まぁ、指輪をつけてたことにも驚いたんだけど、そういう風に恋人のこと言うの初めてだよね」


「そうだったか？」


「そうだよ。恋人に合わせるなんて考えは更々なかったし、お揃いのもとをつけるなんて論外。恋人より仕事優先だし、扱いだって雑だったよね。部屋の中に入れてなかったし、合鍵なんて渡したことなかったんじゃない？」


瑠璃の言う通り、元哉はもともと恋人が出来ても相手を雑に扱っていましたし、恋人よりも仕事を優先する男でした。
それは今も変わりませんが、昔よりかは連絡をしてくるようになりましたし、僕のことを大切にしてくれていると思っています。
合鍵も預けてくださってますし、日本にいないときはこの部屋を使って欲しいとまで言われています。


「そうだな。指輪は俺が恋人につけて欲しいと願ってつけて貰っているものだし、この家の鍵だって渡している。今だって俺が恋人にお願いして側にいて貰っているようなものだ」


「凄いね」


「人間変わるものだな」


感心する和久に腕を組みながら頷く母親、父親は嬉し涙を流し始めていました。