紹介なんてされたくありません!

mahiro

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母親からの圧に負けた元哉は部屋の掃除をするならそれまで大人しく待って居て欲しいと告げ、慌てて身支度や部屋の清掃、僕の物を運搬する手伝いなどを行っていました。
僕もクローゼットに隠れようかと思いましたが、そこは確実にバレるだろうとのことで、元哉が住み始めたときからリビングによく見ないと分からない収納スペースがあり、人が一人入りそうな場所がありました。
そこへ入り込んだ後、扉を閉め、奥の方へと身を隠すことにしました。
念には念を、と内側からカギを取り付け、外側から開けられないようにしました。
見つかったら怪しまれるでしょうが、家族と遭遇するよりマシでしょう。
元哉の方も準備が整ったようで、深呼吸を繰り返した後、今から仕事にでも行きそうな顔つきで玄関の鍵を開けていました。


「お邪魔しまーす!」


元哉の言葉よりも先に瑠璃がドアが空いた瞬間に中へと滑り込み、室内をキョロキョロと見渡し始めました。


「あれ、思ったより片付いてるね。兄さんのことだからもっと汚してるのかと思った」


その後に入ってきた和久は、瑠璃同様に室内を見渡せば感心したような声を出していました。
いえ、この男、僕が定期的に来ないと部屋の中荒れ狂ってますよ、と内心呟きました。


「まだ帰国したばかりだからな。これから暫くは日本にいるし、また荒れるだろうな」


何で汚す前提で話してるんだよ。
清潔さをキープしようととか思わないのかね、と思いながらもそういう自分も激務が続くと家の中がごちゃごちゃになるので、人のこと言えないなと我に返りました。


「分かる。父さんも母さんが居ないとそうだった」


続いて入ってきた父親にたいし、元哉は反応せず、最後に室内に入った母親が完全に入り込んだのを確認してから鍵をかけていました。
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