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「君を家族に紹介したいと思うのだが、良いだろうか?」


平然と言ってきたが、目の前の男も僕も男なわけで。
これが結婚を見据えた彼女なら、断る理由もないだろうけど、僕には断る理由しかない。


「嫌です」


そう答えかけた瞬間、来客を知らせるインターフォンが鳴り響きました。







今から数週間前。
彼ーーー淵上 元哉ふちがみ もとやは、数年振りに実家へ帰った。
そこには元哉の両親と妹、そして弟も揃っていたのだという。


「久しぶりだな、元哉。元気そうでなによりだ」


「あぁ」


バシバシという音を立て背中を叩いてくる父親に冷たい目線を向けたらしい元哉は、手に持っていたものを妹の瑠璃るりへと手渡した。


「うわぁ!これ、限定商品じゃん!よく分かったね、兄さん!」


目を輝かせながらそれを受け取った瑠璃は満面の笑みを浮かべたと思ったら、次には元哉の左手ーーー左薬指を見て真顔になったそうです。
そこには僕とお揃いの指輪が嵌められていました。
いつもの元哉ならば家族の前では外していたのに、今回だけは忘れていたのだとか。


「ねぇ、兄さん。もしかして、恋人出来たの?!」


その場にいた全員が反応を示し、今回の話の流れに繋がったのだとか。
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