22 / 33
22
しおりを挟む
「部活の平松を私は知らないから何とも言えないんだけど、それを抜きとするとただの面倒な奴でしかないでしょう」
「それは否定できませんね。でも、それいう部分があってこその平松さんな気もします」
恋愛部分は抜きにして、と手元にあったスマホの電源を入れた途端に鳴り出すそれに顔を歪めて言った。
「もしかして初恋なんですかね。だからこんなにも不安なのでしょうか」
「どうだろう……小学生と中学生のときは聞いたことなかったけど」
「悩むということはそれだけ真剣なのだと思うのですが……ここで口を出しては平松さんのためになりませんから」
やっぱり電源落とします、と言って電源を落としていた。
「浜砂は初恋いつだったの?」
流れ的に可笑しくないであろうタイミングで訊ねてみると、浜砂は少し思案したあとに言った。
「………そうですね、ちゃんとした初恋は高校に入ってからだと思います」
「え、ってことは今年入ってからってこと?」
「そうですね。幼稚な恋まがいなことはもっと前に経験したと思うのですが、ちゃんとした恋をしたのは高校に入ってからです」
つまり、私と知り合ってから浜砂は恋をしたというのか。
一体誰だ。
私の知る人物か?
それとも知らない人物か?
「それは否定できませんね。でも、それいう部分があってこその平松さんな気もします」
恋愛部分は抜きにして、と手元にあったスマホの電源を入れた途端に鳴り出すそれに顔を歪めて言った。
「もしかして初恋なんですかね。だからこんなにも不安なのでしょうか」
「どうだろう……小学生と中学生のときは聞いたことなかったけど」
「悩むということはそれだけ真剣なのだと思うのですが……ここで口を出しては平松さんのためになりませんから」
やっぱり電源落とします、と言って電源を落としていた。
「浜砂は初恋いつだったの?」
流れ的に可笑しくないであろうタイミングで訊ねてみると、浜砂は少し思案したあとに言った。
「………そうですね、ちゃんとした初恋は高校に入ってからだと思います」
「え、ってことは今年入ってからってこと?」
「そうですね。幼稚な恋まがいなことはもっと前に経験したと思うのですが、ちゃんとした恋をしたのは高校に入ってからです」
つまり、私と知り合ってから浜砂は恋をしたというのか。
一体誰だ。
私の知る人物か?
それとも知らない人物か?
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
彼が指輪を嵌める理由
mahiro
恋愛
顔良し、頭良し、一人あたり良し。
仕事も出来てスポーツも出来ると社内で有名な重村湊士さんの左薬指に指輪が嵌められていると噂が流れた。
これはもう結婚秒読みの彼女がいるに違いないと聞きたくもない情報が流れてくる始末。
面識なし、接点なし、稀に社内ですれ違うだけで向こうは私のことなんて知るわけもなく。
もうこの恋は諦めなきゃいけないのかな…。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる