きっと、あなたは知らない

mahiro

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恋する乙女の表情を見せる樋ノ上さんに、あれもしかして今まで二人の恋が成就しなかったのは私のせいで、私がいなければもっと早くに付き合っていたのでは?と思い、冷や汗が流れ出した。
だって、平松は高校は行ってから樋ノ上さんの存在を知ったけど、樋ノ上さんは中学の頃から平松の存在を知っていたし、格好いいとまで思っているというのだから。


「えーと、もしかして、樋ノ上さんって平松のこと恋愛的な意味合いで好きだったりする?」


「え?!」


顔を赤らめた状態で私を見る樋ノ上さんに、これは思わぬ展開だと思いながら、にやけそうになる顔を引き締めて言った。


「もし良ければ、話す場とか作ろうか?」


「いいの?」


是非とも、と言いそうになる口を抑え首を縦に振った。


「平松にスケジュール聞いてみて、今度連絡するね」


「あありがとう、椎名さん」


華かやな笑みを向けられ、恋する女の子って可愛いよなぁ、なんて思っていたらちゃっかり樋ノ上さんから連絡先渡された。
教室であまり平松との話しはしない方が良いと思うからと気を遣って教えてくれたようだ。
これは順調に行き過ぎて怖いな。
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