10 / 17
チャンス到来のはずなのに
しおりを挟む
こいつ俺と別れても女性の前で『アキちゃん』を連呼しすぎて嫌われんじゃないか?
心配になってきたんだが。
でも、それを踏まえて好きになってくれる女性も中にはいるだろうしな。
「それよりそろそろお風呂行かない?」
お、これはチャンス到来か。
流石にお風呂場までスマホは持っていかないだろうし。
「先に入ってくると良い、俺はその後に入るさ」
「何言ってんの。男女じゃあるまいし、別々に入る必要ないでしょ。しかも、部屋風呂じゃなくて共有の露天風呂だから一人一人じゃねぇし」
いや、そういうことじゃないんだが、と言う前に引き摺られるように部屋を出され、途中まで連れて行かれた所で気付いた。
忘れ物したと言って部屋に戻ればスマホ見れるよな。
よし、その手で行こう。
「北嶌、すまん。忘れ物した。先に行っていてくれないか?」
「あ?何忘れたんだよ」
「先ほどお前から貰ったクーポン券のようなものよ」
「あー、あれか」
「すまんな。先に行っててくれ」
よし、これで部屋に行って念のため鍵閉めて、スマホを見つけていざ、連絡先削除。
そう思って机にあったスマホに触れた。
触れたのは良いんだが、ロックがかかっているではないか。
しかもこいつのスマホ、ロックを3回間違うと開かなくなるタイプ。
何ということだ。
試せるのは2回だけということではないか。
仕方ない、思い浮かぶ数字を入れるか。
まずは奴の誕生日を入力してみたが、ダメだった。
あともう1個。
それでダメならこれは諦めるしかなかろう。
「あとは……」
やっぱりアキの誕生日か。
あいつにとって大切な奴の誕生日だからな。
そう思って入力してみたがこれもダメだった。
これも違うとは思わなかったな。
どっちかだと思ったのに。
何なんだ、先から敗北してばっかりではないか。
畜生。
もう、こうなったら鍵だけ鞄に入れて別れを今日中に伝えてみせる。
心配になってきたんだが。
でも、それを踏まえて好きになってくれる女性も中にはいるだろうしな。
「それよりそろそろお風呂行かない?」
お、これはチャンス到来か。
流石にお風呂場までスマホは持っていかないだろうし。
「先に入ってくると良い、俺はその後に入るさ」
「何言ってんの。男女じゃあるまいし、別々に入る必要ないでしょ。しかも、部屋風呂じゃなくて共有の露天風呂だから一人一人じゃねぇし」
いや、そういうことじゃないんだが、と言う前に引き摺られるように部屋を出され、途中まで連れて行かれた所で気付いた。
忘れ物したと言って部屋に戻ればスマホ見れるよな。
よし、その手で行こう。
「北嶌、すまん。忘れ物した。先に行っていてくれないか?」
「あ?何忘れたんだよ」
「先ほどお前から貰ったクーポン券のようなものよ」
「あー、あれか」
「すまんな。先に行っててくれ」
よし、これで部屋に行って念のため鍵閉めて、スマホを見つけていざ、連絡先削除。
そう思って机にあったスマホに触れた。
触れたのは良いんだが、ロックがかかっているではないか。
しかもこいつのスマホ、ロックを3回間違うと開かなくなるタイプ。
何ということだ。
試せるのは2回だけということではないか。
仕方ない、思い浮かぶ数字を入れるか。
まずは奴の誕生日を入力してみたが、ダメだった。
あともう1個。
それでダメならこれは諦めるしかなかろう。
「あとは……」
やっぱりアキの誕生日か。
あいつにとって大切な奴の誕生日だからな。
そう思って入力してみたがこれもダメだった。
これも違うとは思わなかったな。
どっちかだと思ったのに。
何なんだ、先から敗北してばっかりではないか。
畜生。
もう、こうなったら鍵だけ鞄に入れて別れを今日中に伝えてみせる。
174
お気に入りに追加
265
あなたにおすすめの小説



付き合って一年マンネリ化してたから振られたと思っていたがどうやら違うようなので猛烈に引き止めた話
雨宮里玖
BL
恋人の神尾が突然連絡を経って二週間。神尾のことが諦められない樋口は神尾との思い出のカフェに行く。そこで神尾と一緒にいた山本から「神尾はお前と別れたって言ってたぞ」と言われ——。
樋口(27)サラリーマン。
神尾裕二(27)サラリーマン。
佐上果穂(26)社長令嬢。会社幹部。
山本(27)樋口と神尾の大学時代の同級生。


告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

俺はすでに振られているから
いちみやりょう
BL
▲花吐き病の設定をお借りしている上に変えている部分もあります▲
「ごほっ、ごほっ、はぁ、はぁ」
「要、告白してみたら? 断られても玉砕したら諦められるかもしれないよ?」
会社の同期の杉田が心配そうに言ってきた。
俺の片思いと片思いの相手と病気を杉田だけが知っている。
以前会社で吐き気に耐えきれなくなって給湯室まで駆け込んで吐いた時に、心配で様子見にきてくれた杉田に花を吐くのを見られてしまったことがきっかけだった。ちなみに今も給湯室にいる。
「無理だ。断られても諦められなかった」
「え? 告白したの?」
「こほっ、ごほ、したよ。大学生の時にね」
「ダメだったんだ」
「悪いって言われたよ。でも俺は断られたのにもかかわらず諦めきれずに、こんな病気を発病してしまった」

そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる