物語なんかじゃない

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こんな真っ暗な所に古本屋なんてあるのか？と疑っていたら、ドアを開けそのまま直進した所に扉があり、その奥に古びた古本屋らしきものが実在した。

　
「………もしかして、俺たち裏側から入った？」


「だな」
　　

ゆっくりとティメオから離れ、棚に置かれている本を見てみた。
新しい本も置いてあるが、古い本も置かれている。
中には大昔の本もあったので、あの本もここにある可能性が高い。


「いらっしゃいませ」


そこへ腰の曲がったおじいさんが店に入ってきた。
手には箒と塵取りがあったので、おそらく店の前を掃いていたのだろう。


「裏口から入ってくるお客様なんてロイだけなんで、今日もそうなのかと思っていたら、違ったのですね」


やっぱり裏口だったのか。
そりゃあ真っ暗なわけだ。


「そのロイから店を教えて貰った者です。『パラデオ』という本を探しに来たのですが、ございますか？」