物語なんかじゃない

mahiro

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聞けば聞くほど、ティメオの言う前世のような記憶というものが俺の前世と同じものであると思えてくる。
もし、ティメオの記憶が真実であるとするならば俺は仲間たちに裏切られたと思い込み、今の今まで過ごしてきたということなのだろうか。
本当の彼等の思いに気付きもせずにいたというのだろうか。


「能力保持者のことはなんとなく分かった。その後、その子供たちはどうなった?」


思わず進めていた足を止めたくなったが、前を歩くティメオに不信に思われないよう足を進めた。
だが、声は感情が伴ったかのように震えてしまった。


「……………」


「ティメオ?」


俺の問いかけと共に足を止めたティメオの名を呼び掛けると、ティメオは身体を俺に向け、哀愁の漂う表情でこちらを見てきた。


「無力の子供だけで、軍事組織に入って何が出来ると思う。何も出来るわけないだろう。今まであいつに助けて貰って何もしてこなかった子供だぞ。そんなお荷物、あいつらにとって邪魔でしかなかったんだ」
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