新しい道を歩み始めた貴方へ

138

アンリたちのいる場所に戻らないと、と思っていたのだが、結論から言うと戻れなかった。
それは何故かと言うと、イッポリートが今回の騒動で組織を出て完全に自宅に戻ったのだという。
だとすると、あの店に俺は必要なくなったわけだ。
イッポリートから自宅に戻ると聞いていたロジェは、俺を事務所で雇うことを決めていたそうだ。
セヴランはというと『ナセリ』を退職し、俺と共に事務所に雇って貰えることになった。
住んでいた場所も今は売り払い、セヴランと共に事務所近くに家を借りて住んでいる。
たまにロジェやエリック、フィリッポやイッポリート、ビセンテが家に来てくれる。

前はこんな風に誰かが家に来ることも、誰かと住むことも考えたことなかったし、誰かと付き合うことになるとも思っていなかった。
その誰かが、まさかセヴランだとは全く思っていなかったけれど。

これから新たな生活をしていく中で問題が発生すると思うが、俺一人では何も出来ないが、心強い仲間や恋人が側に居れば何だって解決出来できると思う。


アナクレト、セヴランも俺と新たな道を歩み始めたんだ。
お前もセヴランのことは忘れて新たな自分の人生を歩めよ。



新しく道を歩み始めた貴方へ　完結



ここまでお付き合いいただきました皆様に深く感謝申し上げます。
無事完結できましたのも皆様のお陰です。
重ねて感謝申し上げます。


また新たなお話を書かせていただく予定ですので、お付き合いいただけますと幸いです。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。