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「そうだ。二人は付き合っていた……が、その事実を知っていたのはルイ・ベッケルとセヴランの二人だけだった」
そう、誰も知るはずのない関係。
恋人同士と呼べるかも怪しく、付き合う前の方が二人でいる時間が長かったように思う。
「なのに、アナクレトはそのことを知っていたんだね」
「あぁ。どうやら、部下たちから情報を入手したらしい」
「そうなんだ………」
セヴランは考え込むように両腕を組み、目を伏せた。
いきなり貴方は同姓の男の人と付き合っていて、その人のことを忘れていたんです、と言われたら考え込むよな。
俺だったら頭抱えるね。
「ねぇ、ルイ君」
「何?」
「ルイ君は今回のアナクレトの記憶を見て、俺がルイ・ベッケルという人と付き合っていたって知ったの?だって、その事実は俺とルイ・ベッケル本人、それとアナクレト関係者しか知らない情報なんだよね」
鋭いな………いや、やっと気付いたかと思うべきか。
まだ話している俺が張本人だと気付いていないもんな。
「それは違う。俺はアナクレトの話を聞く前から二人が付き合っていたことを知っていた。言っておくけど、他人から聞いたわけでも、セヴラン本人から聞いたわけでもなく、ルイ・ベッケル本人から聞き出したわけじゃない」
「え?」
「信じられないと思うけど、俺がルイ・ベッケルなんだよ」
そう、誰も知るはずのない関係。
恋人同士と呼べるかも怪しく、付き合う前の方が二人でいる時間が長かったように思う。
「なのに、アナクレトはそのことを知っていたんだね」
「あぁ。どうやら、部下たちから情報を入手したらしい」
「そうなんだ………」
セヴランは考え込むように両腕を組み、目を伏せた。
いきなり貴方は同姓の男の人と付き合っていて、その人のことを忘れていたんです、と言われたら考え込むよな。
俺だったら頭抱えるね。
「ねぇ、ルイ君」
「何?」
「ルイ君は今回のアナクレトの記憶を見て、俺がルイ・ベッケルという人と付き合っていたって知ったの?だって、その事実は俺とルイ・ベッケル本人、それとアナクレト関係者しか知らない情報なんだよね」
鋭いな………いや、やっと気付いたかと思うべきか。
まだ話している俺が張本人だと気付いていないもんな。
「それは違う。俺はアナクレトの話を聞く前から二人が付き合っていたことを知っていた。言っておくけど、他人から聞いたわけでも、セヴラン本人から聞いたわけでもなく、ルイ・ベッケル本人から聞き出したわけじゃない」
「え?」
「信じられないと思うけど、俺がルイ・ベッケルなんだよ」
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