新しい道を歩み始めた貴方へ

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「分かった。まず、セヴランの記憶はアナクレトがマナを使用して消したものだ。マナを使用してまで何を消したかったかというと、セヴランからある人物の記憶を消し去ってしまいたかったからなんだ」

　　
「ある人物？」


「ルイ・ベッケル、という人物なんだけど、名前を聞いて何か思い出したりするか？」


聞き覚えも何も今、目の前に座ってる人物だけど、これだけじゃ分かるわけないよな。


「ルイ・ベッケル？名前を聞いてもビンとこないなぁ。でも、俺と関わりのあった人だったからアナクレトは消したんだよね」


「あぁ。アナクレトが恐れる関わりがあったんだよ。ルイ・ベッケルとセヴランの間には誰にも言えない秘密の関係が、な」


「秘密の関係？」


「そうだ。消し去ってしまいたいと願ってしまうほどの関係だ」


俺は消し去りたいと願っていなかったが、セヴランからしたら綺麗に抹消させても問題がないように見えたけど、それをセヴランが望むかはセヴラン自身の問題だもんな。


「まさか………付き合っていたの？」