新しい道を歩み始めた貴方へ

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「アナクレトはルイ君は困ったときに憲兵に助けを求めるだろうと先読みし、憲兵へ圧力をかけ、ルイ君の名前と何があっても動かないようと手を打った。それだけでは心配だったため、組織にまで力を借りようとした。それにお金で人を雇うだけでなく、嘘の地位までも与えようと言いふらし内部で争わせるような真似までさせた」


嘘の地位……ってそんなことまでやっていたのか。


「ということは、組織の人たちってアナクレトの私情に巻き込まれただけってことですか」


「あぁ。組織のトップに会いに行って話を聞いたが、そんな事実はないと言っていた。たとえ言ったとしても、それはあくまでものの例えであって本心ではないとな。いい迷惑だ」


それで怪我をしたフィリッポやイッポリート、その他の組織の人たちって何なんだ。
ロジェだって巻き込まれていたよな、可哀想に。


「迷惑なのはそれだけじゃない。俺たちの事務所だって、アナクレトの被害にあった」


「アナクレトがエリックの格好を真似たことですか」


「それもある。あれは俺たちを内部で争わせるためだろう。組織の人間にフィリッポさんやイッポリートの名前を出したのも俺の名前も出していたことも。そうすることで、ルイ君から手を離させようってね」


でも、ロジェたちは手を離さなかったし、今もちゃんと向き合ってくれている。
これもアナクレトからしたら予想外の出来事だっただろうな。