新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro

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俺としては謝罪はなくとも身体を元に戻して欲しい。
いくらこの身体に慣れてきたとはいえ、本来あるべき姿に戻りたい………きっと、セヴランもこんな思いなのかな。
今の生活に慣れてきたが、自分の忘れてしまった記憶を取り戻したい、と。
俺は俺の都合でセヴランの記憶を取り戻して欲しくないと願ってしまっているけれど、記憶を取り戻したいセヴランからしたら、俺はアナクレトととやってることは同じになるのか。
だからって話すのか、全てを。


「いや、セヴラン君が止めた所でアナクレトは止めなかったし、例え調べたとしてもその記憶さえも奪っていただろう。もし憲兵に頼っても権力で彼らの動きを止め、変な捜索をさせないようにした」


「アナクレトはそんなことも出来るんですか」


「出来るし、今回もそうしていた」


片手で頭を抑えるセヴランを見ながら、どうしたものかと悩む。
よし、こうなったらセヴランから聞きたいと言われたら話そう。
嫌だけど。
本当は知らずに生きていて欲しかったけど。
俺の気持ちはともかくとして、あったものを元に戻したいという気持ちはよく分かるし、アナクレトと同じように自分のために真実を隠したり、消したりするのは止めよう。


「今回は憲兵の方が動いてくださいましたね」
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