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こんな至近距離でセヴランを見るなんてあの頃を思うと、あり得ない状況だな、じゃなくて、どうしたんだ。
まさか、何かがきっかけで思い出したとか?
「うん、そうだね。移動しようか」
よいしょという声と共にセヴランは俺を抱き上げられ、何故かそのまま歩き出した。
「俺自分で歩けるんだけど」
「分かってるよ。分かってるんだけど………離したらいけない気がして」
離したらいけないって何だ?
先からセヴランの言動がよく分からないけど、ここで話を続けられないし今は好きなようにさせておくとしよう。
ビセンテにも早く出るように言われたし。
建物を出て事務所へと向かうと、そこにはロジェとエリック、フィリッポとイッポリートが並んで座っていた。
何だか久しぶりにフィリッポを見たような気がする。
「おう、お帰り。何だか知らねぇ人もいるな。お客さんか?」
「もう、フィリッポさん、今ロジェさんが話してたばっかりでしょ。セヴランさんだよ」
「ん?あぁ、その人がそうか。で?何でルイは抱き上げられてんだ?怪我でもしたか」
「してません」
フィリッポとエリックのやり取りは相変わらずだなぁ、なんて思いつつ、その横に視線を向ければエリックを鋭く睨むイッポリートの姿が。
よし、見なかったことにしよう。
まさか、何かがきっかけで思い出したとか?
「うん、そうだね。移動しようか」
よいしょという声と共にセヴランは俺を抱き上げられ、何故かそのまま歩き出した。
「俺自分で歩けるんだけど」
「分かってるよ。分かってるんだけど………離したらいけない気がして」
離したらいけないって何だ?
先からセヴランの言動がよく分からないけど、ここで話を続けられないし今は好きなようにさせておくとしよう。
ビセンテにも早く出るように言われたし。
建物を出て事務所へと向かうと、そこにはロジェとエリック、フィリッポとイッポリートが並んで座っていた。
何だか久しぶりにフィリッポを見たような気がする。
「おう、お帰り。何だか知らねぇ人もいるな。お客さんか?」
「もう、フィリッポさん、今ロジェさんが話してたばっかりでしょ。セヴランさんだよ」
「ん?あぁ、その人がそうか。で?何でルイは抱き上げられてんだ?怪我でもしたか」
「してません」
フィリッポとエリックのやり取りは相変わらずだなぁ、なんて思いつつ、その横に視線を向ければエリックを鋭く睨むイッポリートの姿が。
よし、見なかったことにしよう。
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