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こちらに近付いてくるマナを避けるため、セヴランが俺を抱えたまま左側に倒れ込んだ。
それを見ながら、折角ここまで辿り着いたのに忘れてしまうのか。
本来であればもう二度と会うべき相手ではなかったのに、こうして再会し、付き合っていた頃よりもお互いに触れあい、相手の手の温度を知ってしまった。
それすらも忘れてしまうのか。
そんなのは嫌だ。
忘れたくない。
覚えていたい。
強く目を瞑り、祈るようにセヴランの手を強く握り締めているとアナクレトの焦ったような声が聞こえた。
「………これはどういうことだい?」
何が起きたのかと恐る恐る目を開けてみると、セヴランの肩を掠めたらしいマナは青白く光ったまま床に転がっている。
「確かにセヴランの肩を掠めたよね」
「そうだね。それがどうかしたの」
その証拠にセヴランの肩には青い粉がついていた。
そしてそれはぶつかった壁や床にもついている。
あれ、今まで使用してきたマナ石って粉なんてついていなかったような。
それでアナクレトは動揺しているのか?
いや、違う。
確かに粉もそうだけど、マナの効果が得られていないから動揺しているのか。
だって、セヴランを近くで見る限り変化が全くなさそうだからな。
それを見ながら、折角ここまで辿り着いたのに忘れてしまうのか。
本来であればもう二度と会うべき相手ではなかったのに、こうして再会し、付き合っていた頃よりもお互いに触れあい、相手の手の温度を知ってしまった。
それすらも忘れてしまうのか。
そんなのは嫌だ。
忘れたくない。
覚えていたい。
強く目を瞑り、祈るようにセヴランの手を強く握り締めているとアナクレトの焦ったような声が聞こえた。
「………これはどういうことだい?」
何が起きたのかと恐る恐る目を開けてみると、セヴランの肩を掠めたらしいマナは青白く光ったまま床に転がっている。
「確かにセヴランの肩を掠めたよね」
「そうだね。それがどうかしたの」
その証拠にセヴランの肩には青い粉がついていた。
そしてそれはぶつかった壁や床にもついている。
あれ、今まで使用してきたマナ石って粉なんてついていなかったような。
それでアナクレトは動揺しているのか?
いや、違う。
確かに粉もそうだけど、マナの効果が得られていないから動揺しているのか。
だって、セヴランを近くで見る限り変化が全くなさそうだからな。
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