新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro

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タイミングを狙ってか開かなかった扉が開き、待ちに待った人物ーーーアナクレトが登場した。
赤い髪の隙間から覗く金色の瞳は真っ直ぐに俺に向けられ、殺意が込められていた。
自分で閉じ込めておいて何なんだよ。


「アナクレト、来てくれたのか!」


「ごめんね、セヴラン。打ち合わせをしていたら遅くなってしまったよ」


あぁ、白々しい。
打ち合わせは俺やロジェたちのことだろうし、遅くなったのではなく、敢えて様子を見ていたに決まっている。
よっぽどセヴランには良い顔したいみたいだな。


「いや、助かったよ。ねぇ、ルイ君………ルイ君?」


セヴランの安堵する声を聞きながら、じっとアナクレトを見つめた。
アナクレトも同様に俺をじっと見つめ、両腕を組んだ。


「やぁ、こうして面と向かって話すのは初めてだね、ルイ」


「…………そうだな」


きっと、アナクレトは俺に触れるつもりはないだろう。
ここで俺の姿が戻ってしまったら縮めた意味がないもんな。
俺としてもセヴランがいる前で姿を戻すつもりはない………が、このチャンスを逃したら元に戻れないんじゃないか?
だとしたら、どうにかしてアナクレトが俺に触れるように持ち込まないと。
でも、どうやって。
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