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2人が真剣な表情で頷いたのを見届け、俺は口を開いた。
「今から14年前、俺はセヴラン・キャリーと付き合っていました。付き合っていたって言っても、セヴランは俺に同情して付き合ってくれただけで本当は俺のことなんてただの友達……か知り合いレベルだったと思います」
俺の言葉に驚きを見せるエリックと表情ひとつ動かさないロジェを見ながら言葉を続けた。
「ある日突然、セヴランは俺のことを忘れてしまいました。俺たちは関係を隠しながら付き合っていたので、周りに本当の関係性なんて言えるわけもなく、そのまま自然消滅…したものだと思います。その後、セヴランは何の都合かは知りませんが、他国へと旅立ちました」
「なるほど。14年経った今、事が動き出しのはアナクレトが社長就任したタイミング。その後、セヴランがナセリへと転職して社内は大荒れ………ね」
ロジェはそう言うと両腕を組んだ。
エリックも何やら悩みはじめているようだけど、嫌悪感や拒否反応は見られなかった。
その事にまずはホッとした。
これが原因で調査の依頼がなくなることはなさそうだ。
「記憶の消失も今回のルイ君の身体のことも無関係ではなくて、全て誰かに仕組まれたものだと思うんだけど、どうかな?ロジェさん」
「誰か、なんてそんなの決まってるだろ、エリック」
「今から14年前、俺はセヴラン・キャリーと付き合っていました。付き合っていたって言っても、セヴランは俺に同情して付き合ってくれただけで本当は俺のことなんてただの友達……か知り合いレベルだったと思います」
俺の言葉に驚きを見せるエリックと表情ひとつ動かさないロジェを見ながら言葉を続けた。
「ある日突然、セヴランは俺のことを忘れてしまいました。俺たちは関係を隠しながら付き合っていたので、周りに本当の関係性なんて言えるわけもなく、そのまま自然消滅…したものだと思います。その後、セヴランは何の都合かは知りませんが、他国へと旅立ちました」
「なるほど。14年経った今、事が動き出しのはアナクレトが社長就任したタイミング。その後、セヴランがナセリへと転職して社内は大荒れ………ね」
ロジェはそう言うと両腕を組んだ。
エリックも何やら悩みはじめているようだけど、嫌悪感や拒否反応は見られなかった。
その事にまずはホッとした。
これが原因で調査の依頼がなくなることはなさそうだ。
「記憶の消失も今回のルイ君の身体のことも無関係ではなくて、全て誰かに仕組まれたものだと思うんだけど、どうかな?ロジェさん」
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