新しい道を歩み始めた貴方へ

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自分の事務所を追い出される所長って………。
いやいや、そんなことよりもだ。
ロジェにビセンテにバレたというかバラしたこと謝らないと。


「あの、ロジェさん」



「ん？どうした」


「その、俺の身体のこと、ロジェさんにバラしちゃいました。すみません」


ここは素直に謝ろう。
誤魔化しても仕方ないし。
早く言った方が俺も心が楽になるし。


「あぁ。見せたときからバレると思ってたから気にすることないよ」


それならその時に言っても良かったのでは？！と言いたいけど、ロジェはきっと言わないなら言わないままで良いとさえ思ってそうだな。


「それより、ルイ君に聞きたいことがあるんだけど良いかな」


な、何だ。
何を言われるんだ？
あれか、セヴランのことか？
ついに問われる時が来たのか？


「は、はい」


俺がそう言うとロジェは俺の顔を覗き込み、言いにくそうに口を開いた。


「男同士の恋愛に偏見はあるか？」


「………はい？」


『男同士の恋愛に偏見はあるか？』だって？
そんなのあるわけないじゃないか。
だって、俺は男の人を好きになったことがあるのだから。


「全くないですが」


「そうか。それは良かった。これから話す内容にそれらが深く関係してくるから念のために確認を、と思って」　


これから話す内容？
何を話そうとしているんだ？
まさか俺の過去を調べてきたとか言わないよな。