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「すみません、私から説明をよろしいでしょうか」
ビセンテが片手を上げて、言えばロジェは頷いて見せた。
「まず、ロジェさんたちと別れた後、私たちは噂が事実であるか確認するため、清掃スタッフとして『ナセリ』の中に潜入することにしました。結果は残念ながら確実な情報を得ることが出来ませんでした。が、『ナセリ』を出ようとした所でエリック君そっくりな人たちが現れましたが、私とエリック君で対処しました」
「言っておくけど、僕の仲間じゃないから。僕が何かしたわけでもないから。あ、そうそう、これはひとりひとりフード外して撮った顔写真ね」
そう言って先ほど撮った写真を1枚1枚に目を通すロジェとそれをそこから覗き込むフィリッポに、セヴランのことをどう話し出すか悩んでいた。
ビセンテに俺のことを隠してくれていたロジェには悪いが、今回のことも含め話す必要があると思う。
言うって話だったしな。
この国では、あまり男性同士の恋愛に対して肯定的ではない。
だから、この話をするとビセンテだけでなく、ロジェたちまでもが手を引く可能性が出てくる。
ビセンテは『大丈夫』だと言っていたけど、全く大丈夫じゃないんだけど。
ビセンテが片手を上げて、言えばロジェは頷いて見せた。
「まず、ロジェさんたちと別れた後、私たちは噂が事実であるか確認するため、清掃スタッフとして『ナセリ』の中に潜入することにしました。結果は残念ながら確実な情報を得ることが出来ませんでした。が、『ナセリ』を出ようとした所でエリック君そっくりな人たちが現れましたが、私とエリック君で対処しました」
「言っておくけど、僕の仲間じゃないから。僕が何かしたわけでもないから。あ、そうそう、これはひとりひとりフード外して撮った顔写真ね」
そう言って先ほど撮った写真を1枚1枚に目を通すロジェとそれをそこから覗き込むフィリッポに、セヴランのことをどう話し出すか悩んでいた。
ビセンテに俺のことを隠してくれていたロジェには悪いが、今回のことも含め話す必要があると思う。
言うって話だったしな。
この国では、あまり男性同士の恋愛に対して肯定的ではない。
だから、この話をするとビセンテだけでなく、ロジェたちまでもが手を引く可能性が出てくる。
ビセンテは『大丈夫』だと言っていたけど、全く大丈夫じゃないんだけど。
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