新しい道を歩み始めた貴方へ

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一斉に襲いかかってくる相手にエリックとビセンテは掴んでは投げ捨て、掴んでは投げ捨てを繰り返している。
俺はといえば荷台の中でなるべく大人しくしているつもりであったのに、2人の隙を狙って襲いかかってくる奴らが居るせいで荷台から降りる羽目となった。


「ルイ君、私から離れないでください」


ビセンテはそう言った側から俺の手首を引っ張り上げ、そのまま抱き上げられた。


「大丈夫、これくらいの人数ならすぐに片付けられます」


凄い安心感があるな、ビセンテ。
元とはいえ憲兵だったから、人を守ることに優れているのかね、と呑気に考えている間にも片手で相手を薙ぎ倒していくビセンテに圧倒されつつ、その後ろでエリックが闘っている音を聞いていた。


それから何分が経過しただろうか。
立っているのがエリックとビセンテだけになり、周りには人が山のように倒れていた。
見る限り、皆、意識を失っているだけのように見える。


「この人たち、何なのかな。間違いなく『ナセリ』と関係はあると思うんだけど」


「どうでしょうね。この手のプロではなさそうですし、お金で雇われただけのように見えますが」