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「14年前……ですか?」
「あ」
しまった。
ビセンテには俺が実際は31歳だって話してなかったんだった。
ロジェがあえて附せていたのに、自分で明かしてどうする。
「まぁまぁ、その話は事務所戻ってから話そうよ。ルイ君もそれで良いよね?」
「あ、あぁ」
自分の失言に頭を抱えたくなっていると、ビセンテに頭を撫でられた。
「大丈夫です。ですから、そんなに不安げな表情を浮かべないでください」
あ、この人、女性にモテそうだな、なんて思えるくらいにはゆとりが出てきたと同時に何でこんないい人がフィリッポやエリックに対して冷たい態度を取るのかが謎だった。
「さぁ、早く戻ろうよ。留まってると良いことないしね、こんな風に」
『こんな風に』?と思って荷台の隙間から外を見てみると、エリックの格好を真似た集団が俺たちを囲んでいた。
「エリック君の昔の仲間ですか?」
「馬鹿なこと言わないでくださいよ。昔の仲間とは一切縁を切ったし、既にその組織はどっかの誰かさんが片付けたはずでしょう?」
「それは失礼しました。でしたら、この人たちは何で貴方そっくりな格好をされているのでしょうか」
「そんなの僕が知りたいくらいだよ。真似るなら本人から許可を得て欲しいよね」
そう言いながら背中合わせで戦闘態勢に入る2人に、おーい、俺はどうすれば良いんですかね?自分の身は自分で守れってことですか?と内心問い掛けていた。
「あ」
しまった。
ビセンテには俺が実際は31歳だって話してなかったんだった。
ロジェがあえて附せていたのに、自分で明かしてどうする。
「まぁまぁ、その話は事務所戻ってから話そうよ。ルイ君もそれで良いよね?」
「あ、あぁ」
自分の失言に頭を抱えたくなっていると、ビセンテに頭を撫でられた。
「大丈夫です。ですから、そんなに不安げな表情を浮かべないでください」
あ、この人、女性にモテそうだな、なんて思えるくらいにはゆとりが出てきたと同時に何でこんないい人がフィリッポやエリックに対して冷たい態度を取るのかが謎だった。
「さぁ、早く戻ろうよ。留まってると良いことないしね、こんな風に」
『こんな風に』?と思って荷台の隙間から外を見てみると、エリックの格好を真似た集団が俺たちを囲んでいた。
「エリック君の昔の仲間ですか?」
「馬鹿なこと言わないでくださいよ。昔の仲間とは一切縁を切ったし、既にその組織はどっかの誰かさんが片付けたはずでしょう?」
「それは失礼しました。でしたら、この人たちは何で貴方そっくりな格好をされているのでしょうか」
「そんなの僕が知りたいくらいだよ。真似るなら本人から許可を得て欲しいよね」
そう言いながら背中合わせで戦闘態勢に入る2人に、おーい、俺はどうすれば良いんですかね?自分の身は自分で守れってことですか?と内心問い掛けていた。
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