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なので我々は15時半から潜入しましょう、と言われ、俺は大きな荷台の中に入って座り込み、僅かな隙間から外を見ることにした。
残念ながらエリックの顔は見えなかったが、潜入してからは仮面を外しているらしい。
どうせなら顔面を見てから入り込めば良かった、と後悔をしているうちに会社へと乗り込むことは成功した。
「さて、何処から探そうか」
小さな声でエリックがビセンテに問いかけると、エリックは何も言わずに歩き始めた。
「え、ちょっと、何処に行くの?」
「こちらに来てください」
スタスタと歩いた先は廊下の端っこで、そこに何かあるとは思えないが、きっと、ビセンテには何か思い当たるものがあるのだろう。
エリックもそう思ったのか、俺の乗った荷台ごとそちらに向かった。
「ここは監視カメラの死角ですので、話す場所としては最適かと。では、今から建物内を一周します。その中で最も怪しい場所を見つけたら声をかけてください」
「分かった。でも、何て声をかけたら良いかな。他の人たちが聞いても違和感のないものの方が良いと思うけど」
「それなら、お互いの偽名をあえて呼ぶのはどうでしょう」
残念ながらエリックの顔は見えなかったが、潜入してからは仮面を外しているらしい。
どうせなら顔面を見てから入り込めば良かった、と後悔をしているうちに会社へと乗り込むことは成功した。
「さて、何処から探そうか」
小さな声でエリックがビセンテに問いかけると、エリックは何も言わずに歩き始めた。
「え、ちょっと、何処に行くの?」
「こちらに来てください」
スタスタと歩いた先は廊下の端っこで、そこに何かあるとは思えないが、きっと、ビセンテには何か思い当たるものがあるのだろう。
エリックもそう思ったのか、俺の乗った荷台ごとそちらに向かった。
「ここは監視カメラの死角ですので、話す場所としては最適かと。では、今から建物内を一周します。その中で最も怪しい場所を見つけたら声をかけてください」
「分かった。でも、何て声をかけたら良いかな。他の人たちが聞いても違和感のないものの方が良いと思うけど」
「それなら、お互いの偽名をあえて呼ぶのはどうでしょう」
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