新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro

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「男は白い仮面に白いフートを被り、黒のジャケットを着用、エリックそっくりな格好をしていた」


「格好は僕そっくりだけど、その男は手袋をはめてたよ」


エリックが声を張り上げている間にフィリッポは、エリックの描いた人物の頭の上に『手袋をはめたエリック!』と男らしい文字で書いていた。


「エリックだって手袋つけるだろうよ」


「冬場はつけるけど、今の時期はつけないよ。暑いし」


「その手袋は寒さ対策のものじゃなくて、犯人を特定させないためのものだろ」


「それしかないな」


その会話をしながらエリックはフィリッポが描いたものにバツ印を赤のマーカーで書き込み、偽物!と綺麗な字で書いていた。


「今日集めた情報はこんな所か。明日は何でルイ君があのファイルに名前が載ったのか探るか。それが分かれば見えてくるものがあるだろうからな」


「だな。よし、ロジェ。ルイを頼んだぜ」


「あぁ、分かった」


明日の課題はファイルに載った理由、とロジェは書き込み、椅子にかかっていたジャケットを羽織り、俺の側まで来た。


「駆け足になって悪かったな。続きは明日もやるから安心してくれ」


駆け足になったのは早く俺を帰そうとしてくれたからで、ロジェが謝ることはないのに。


「いえ、そんな謝らないでください」


それに何もしてくれなかった憲兵よりも、こうして調査をしてれたり、俺の話を真面目に聞いてくれたり、問題を解決させようとしてくれるだけでありがたい。


「それじゃあ、ルイ君、また明日ね」


「気をつけて帰れよ!」


「はい!今日はありがとうございました。また明日もお願いします」


手を振る2人に俺は頭を軽く下げた。
今日会ったばかりなのにこうしてアンリやローカルのように温かく接してくれる存在はありがたい存在だと思う。
あの時の憲兵の態度を思い出すと余計にな。
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