新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro

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ロジェとフィリッポの後ろ姿を見送り、手鏡を覗き込むエリックのズボンを引っ張った。


「ん?あの2人なら違う案件の打ち合わせに行っただけだから安心してよ」


「そうなのか?」


「うん。流石にこんなあっさり居なくなるとは思ってなかったけどね。それより、ほら、見て」


漸く鏡の中を見せて貰えたのだが、2人が言っていたように格好がエリックに似ている。
仮面の色は同じ白だし、フードも白。
ジャケットは黒。
肌は一切見えていない。
これはエリックだと思われてもおかしくない。


「背丈もそっくり。どうしてこの人はこんな格好してるんだろうね」


それは俺もエリックに訊ねたい。
何故そんな格好をしているのか。
調査員だから、という理由ではないだろうし不思議だ。


「何でだろうな」


「分からないよね。ねぇ、知り合いに似た体格の人いなかった?」


「いないな」


アンリは俺より小さかったし、ローカルも同様。
その他接する人たちも皆、俺と同じような体格の人はいなかった。


「そっか……。あとここで得られるものって何かあるかな」


周囲全体に手鏡を向けるも、見えるものは全て同じで人物が俺がいた方角に向かってマナを投げている映像だけで個人を特定できるものは何もなかった。


「なさそうだな」


手鏡から得られる情報はそれ以外ないし、周りを見渡しても特に気になるものはない。


「それじゃあ、一回事務所へ戻って情報整理と行こうか。もしここで気になることがあればまた来れば良いし」
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