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この国にはマナと呼ばれる力が集められた石を用いて、火や水、風や光など様々なものを自由自在に操りながら生活を送っている。
使い方や用途は様々で、最低限のルールさえ守れれば誰もが使える代物であり、それらがなければ生活が儘ならないと言っても過言ではないだろう。
もし、ルールが守られなければ、その者は処罰の対象になり、生涯、石を保持したり使用することは禁じられ、それすらも守れない場合には一生牢屋で生活することになるのだとか。
「お前さん、恨まれでもしたか?」
あれから俺ーーールイ・ベッケルは職場に電話をかけ、社長であるアンリ=ジョルジュ・ユイレに事情を話し、何とかこの場まで来て貰った訳だが、一目見ただけでそんなことを言われた。
「誰にだよ。恨まれるようなことした覚えないけど」
いつもよりも甲高い声で答えれば、アンリはクスクスと笑いだした。
「いや、すまんすまん。いつもの声とだいぶ異なるんでな」
「好きでこんな声になったわけじゃないんだけど」
声だけじゃない。
身体全体が望んだものではない。
背は縮んだし、手足も小さくなった。
こんなんじゃ仕事もろくに出来ないし、生活も儘ならないじゃないか。
「その姿だと不貞腐れた子供にしか見えんな。うーん、6、7歳くらいか?」
「分からん。鏡で自分の姿見た訳じゃないからな。でも、そうだな、それくらいかも」
使い方や用途は様々で、最低限のルールさえ守れれば誰もが使える代物であり、それらがなければ生活が儘ならないと言っても過言ではないだろう。
もし、ルールが守られなければ、その者は処罰の対象になり、生涯、石を保持したり使用することは禁じられ、それすらも守れない場合には一生牢屋で生活することになるのだとか。
「お前さん、恨まれでもしたか?」
あれから俺ーーールイ・ベッケルは職場に電話をかけ、社長であるアンリ=ジョルジュ・ユイレに事情を話し、何とかこの場まで来て貰った訳だが、一目見ただけでそんなことを言われた。
「誰にだよ。恨まれるようなことした覚えないけど」
いつもよりも甲高い声で答えれば、アンリはクスクスと笑いだした。
「いや、すまんすまん。いつもの声とだいぶ異なるんでな」
「好きでこんな声になったわけじゃないんだけど」
声だけじゃない。
身体全体が望んだものではない。
背は縮んだし、手足も小さくなった。
こんなんじゃ仕事もろくに出来ないし、生活も儘ならないじゃないか。
「その姿だと不貞腐れた子供にしか見えんな。うーん、6、7歳くらいか?」
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