新しい道を歩み始めた貴方へ

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「お前は誰だ？」


今から14年前、関係を公にしていなかった恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが続々と集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。

その後、恋人は訳あってこの地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。



あれから14年。
今では俺も社会人となった。
恋人はあれからひとりもできておらず、生活は職場と家の往復だ。
今日も変わらない日常が始まるのだろうと、ぼんやりと考えながら家の鍵を締め、たらたらと職場に向かう道のりを歩いた。
今日は何時に帰れるのやら、何て考えていると、いきなり真上から明るい光が降ってきた。


「な、何だ？」


避けるまもなくそれは身体全体に当たった。
太陽の光ともライトの光とも違うこれは一体。
そう考えている間にも光は当たり続け、ついにそれは起きた。


「は？」


徐々に徐々に身体は縮み出し、履いていたズボンが脱げ、上に着ていたシャツがワンピースのようになり、パンツもサイズが合わずついには脱げてしまったのだ。


「一体何が………？」