絶対に間違えないから

mahiro

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俺がシャルル陛下の思惑に気付いたのは、フェブリーがこの地域にやってきた日のことだった。
現在の騎士団の状況やルナ様の現状、そして俺とは別に動き始めたリーシャ様のことについて情報を貰っていたのだが、そのときに以前には見られなかったシャルル陛下の言動に違和感を感じた。
シャルル陛下はもともと魔力はゼロで、特別な力は何一つ持ち合わせていない筈なのに、魔力を使い様々な面で使用していたことをフェブリーが話していたのを聞いて違和感を感じたのだ。


「何故魔力を使えるんだ?」


仮に使えたとしても何故ここまでルナ様と似ているのかと。
ルナ様のご両親はルナ様程の力はなく、仮に奪えたとしてもここまで弱くはないはずだ。
ならば、あの力はルナ様から奪ったと考えるべきか。


「んー何でだっけ?具体的な説明は何もなかったような…」


フェブリーの反応からして、詳しくは説明されていなかったのだな、と思うのと同時に、ひとつの可能性を思い付いた。
もしかして、この世界のシャルル陛下はあの世界から来たシャルル陛下の可能性がある。
それであれば魔力が使えるのも頷ける。

もし、本当にそうなのだとしたら、2度と同じことは繰り返させない。

俺は守るために剣を振るうが誰かを傷つけるために剣を使うような真似は絶対にしたくはない。
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