絶対に間違えないから

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『お主からだと言ったら？』


私から奪った？
この世界ではまずあり得ない。
だって私はフレイヤに恋をしていないし、誰かに刺されてもいない。
誰も傷つけていないし、傷つけられてもいない。
そんな中で魔力を奪われることはないだろう。


「それはあり得ません。奪われた記憶もありませんし」


『それはそうだろうな』


大きな声で笑い声をあげながらそう答えはシャルル陛下は、器用に右の口角だけを上げた。


『お主が亡くなってから奪ったのだから記憶がなくて当然であろう？』


そういうことか。
この人もあの世界から来た人で、私から奪った魔力で影を作り出しているわけだ。

これでもうひとつ分かったことがある。
私が遥か遠い地へ逃げても、私の場所を把握できたのは魔力を持っていたから探知すらことが出来たわけだ。
その割に時間がかかったのは、奪った魔力が万全なものではなかったからだろう。
だから、今度こそ万全なものにしようと思っているのだろうがそうはいかない。


「残念ですが、今回はそう簡単には奪えないと思いますよ」


何故ならあの頃のように恋に狂ってはいないから。
この世界のフレイヤには特に思い入れもないし。


『それはどうだろうな。人間は無意識にでも人に恋することがあるだろう？』