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「俺、それを聞いたとき、大切な人のことなんだろうなって思ってしまって」
「副騎士団長なのに、そう簡単に手離して良かったんですか?」
「やりたいことがある人を留めておくのも……今回の陛下からのこともあって、俺は止めることが出来なかったんです。立場的には止めるべきだと心では分かっていたのですがね」
へへへ、と頭を掻きながら笑うフェブリーは人のことを思いやれる人で心優しい人なんだろうなと思う。
以前の私だったら出会えもしなかっただろうな。
「おっと、どうやらお呼び出しのようなので、俺は戻りますが、他にも俺の出来ることがあればやりますので仰ってくださいね!」
「ありがとうございます」
ドンドンと扉が叩く音がしたと共にフェブリーは名残惜しむように部屋を去ってしまった。
本当はまだシュアのことを知りたかったが、これは本人に聞いた方が良いだろう。
こっちは落ち着いたことだし、影との接続を切ると目の前にはファミリアではなくシュアがいた。
いつもファミリアが側にいるので今日もファミリアだとばかり思っていたが、もしかして襲撃を受けて何かあったのだろうか。
「ファミリアは?リリやロン君は?!」
「副騎士団長なのに、そう簡単に手離して良かったんですか?」
「やりたいことがある人を留めておくのも……今回の陛下からのこともあって、俺は止めることが出来なかったんです。立場的には止めるべきだと心では分かっていたのですがね」
へへへ、と頭を掻きながら笑うフェブリーは人のことを思いやれる人で心優しい人なんだろうなと思う。
以前の私だったら出会えもしなかっただろうな。
「おっと、どうやらお呼び出しのようなので、俺は戻りますが、他にも俺の出来ることがあればやりますので仰ってくださいね!」
「ありがとうございます」
ドンドンと扉が叩く音がしたと共にフェブリーは名残惜しむように部屋を去ってしまった。
本当はまだシュアのことを知りたかったが、これは本人に聞いた方が良いだろう。
こっちは落ち着いたことだし、影との接続を切ると目の前にはファミリアではなくシュアがいた。
いつもファミリアが側にいるので今日もファミリアだとばかり思っていたが、もしかして襲撃を受けて何かあったのだろうか。
「ファミリアは?リリやロン君は?!」
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