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「シュアにとって皇女様は守りたい人ではなかったってことですね」
リーシャよりも大切な人、ね。
そんな人がいるのに私に誓いを立てる真似………
いや、そんな、わけないよね。
シュアの守りたい人が私だなんて。
だって、私とシュアが出会ったのはあの日が初めてなのだから。
「あ、実は任務で各国を回る中でその人を探していたのでは?と思う所があったんですよ」
「いつですか?」
「今回です。体調不良だったから、と言われたらそこまでなんですが、普段は落ち着いてるシュアがあの国についてからずっと落ち着かず周囲を眺めては溜め息を吐くみたいな行動を何度か繰り返していたので誰か探してるのかな、と。まぁ、その人が大切な人かどうかは確認してないですけど」
「人かどうかも分かりませんよね」
「そうですね。もしかしたら薬を探していたのかもしれませんしね」
それは十分あり得る。
長期任務で薬剤も不足していただろうし、体調不良でもあったから無意識に薬を探していた可能性もある。
「では、次、脱退の理由なのですが、俺にはやりたいことが出来たから脱退させてくれって言ってきたんですよ」
リーシャよりも大切な人、ね。
そんな人がいるのに私に誓いを立てる真似………
いや、そんな、わけないよね。
シュアの守りたい人が私だなんて。
だって、私とシュアが出会ったのはあの日が初めてなのだから。
「あ、実は任務で各国を回る中でその人を探していたのでは?と思う所があったんですよ」
「いつですか?」
「今回です。体調不良だったから、と言われたらそこまでなんですが、普段は落ち着いてるシュアがあの国についてからずっと落ち着かず周囲を眺めては溜め息を吐くみたいな行動を何度か繰り返していたので誰か探してるのかな、と。まぁ、その人が大切な人かどうかは確認してないですけど」
「人かどうかも分かりませんよね」
「そうですね。もしかしたら薬を探していたのかもしれませんしね」
それは十分あり得る。
長期任務で薬剤も不足していただろうし、体調不良でもあったから無意識に薬を探していた可能性もある。
「では、次、脱退の理由なのですが、俺にはやりたいことが出来たから脱退させてくれって言ってきたんですよ」
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