絶対に間違えないから

mahiro

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「俺とシュアが出会ったのは今から約10年…くらい前ですかね。まだ2人とも子供で剣をようやく持てるようになったくらいでした。俺はこの国を守るために騎士団に入団したんですけど、シュアは『守りたい人を守るために入団した』って言ってました」

 
守りたい人、ね。
誰のことを言っているのだろう。
家族?恋人?友人?
分からないけれど、その人と離れ離れになってしまっただろうし、騎士団をも脱退してしまい夢が叶えられなくなったのではないだろうか。


「その人がどなたかご存じですか?」

 
「すみません、一切教えて貰えなかったんです。でも、その人を守るためには脱退する必要があったんじゃないかなって思うんですよね。シュアって思い付きで行動するタイプじゃないですから」


守るために騎士団を脱退しなければならない人ってどんな人なのだろう。
普通は守りたいなら騎士団に入団していた方が守りやすいだろうに。
任務で離れるのも嫌なくらい好きな人がいるとか?

………何で胸の中がモヤモヤするんだろう。


「剣の腕前はフレイヤ様と同等と言えるくらい優秀で、動きも俊敏で俺よりも先に副団長に就任してました。そんな力ある団員にシャルル陛下はフレイヤ様と同様にリーシャ様の専属騎士に任命するかとまで話が出ていたのですが、それはシュア本人が断ったんです」


意外だ。
普通の騎士であれば皇女であり聖女でもあるリーシャの専属なんて聞いたら泣いて喜ぶはずなのにそれを断るなんて。
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