絶対に間違えないから

mahiro

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俯いてこちらを一切見ようとしない団員は、私が声をかけようとすると頭を深々と下げた。
何事かと驚いているとその団員は口を開いた。


「あのときの約束、お守りできず、申し訳ありませんでした!」


一瞬何のことか分からず、ぽかーんと口を開けて呆然としてしまったが、すぐにあの薬を使ったときのことかと分かった。
よくよく見ればあのときの騎士団員じゃないか。


「いや、シャルル陛下の指示だったのだから断れなかっただろう?」


「そう………でしたが、命を助けて頂いた方を裏切るようなこんな真似………したくなかったです」


嘘をつけないタイプの人なのだろう。
だからこそ、この騎士団員にはあまり事前情報は与えられなかったのではないだろうか。
知ってしまえば、表情や態度に出てしまうから。


「上官、いえ、陛下の命令には絶対ですから仕方なかったですよ。それに、私、ここに連れて来られたときは裏切られたって怒ってましたけど、この部屋にきて何か嫌なことをされたわけではないですし、監禁といっても、この部屋の中なら自由に動けますし不便という不便はなく生活できてますから大丈夫です」


実際、前は快適とすら思っていた部屋だった。
シャルル陛下には思うことは沢山あるし、何を考えているのはいまだに分からないところが多く、警戒が解けないが騎士団員たち個人には、前ほどの恨みはほぼなくなった。
それもシュアが私たちの味方をしてくれているように完全にではなくとも思えるからだろうか。
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