絶対に間違えないから

mahiro

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「何をしても拒否するか」


「はい。他の方法を検討された方がよろしいかと」


聖女はリーシャだけだが、治癒の能力を使える人たちがこの世には存在している。
その一人が実はリリなのだが、今はまだその能力に目覚めていない。
覚醒は確か15歳のときだったか。
何がきっかけだったかは覚えていない……というより当時の私はフレイヤ以外のことを覚える気も興味すらもなかったので、詳細を何一つ覚えていないのだがそれくらいだった覚えがある。
こんなことになるならもっと周りに目を向ければ良かった。


「他の方法とな。例えば何がある」


「治癒に秀でた者たちを集め、彼らにリーシャ様のフォローをお願いするのはいかがでしょうか?」


「その者たちが何処にいるか知っているのか?」


リリ以外のことなど知るわけがないだろう。
リリのことだって定かじゃないのに。
だが、ここで知らないと答えたらならここに滞在しろと言われるに違いない。


「今は存じ上げませんが、必ずや見つけ出して見せます」


「探す時間が惜しい。その間にも治療を望む者たちが沢山出ているのだぞ」


だからとはいえ、何故、私やリリを追い出した国のために利益を出さねばならないのだ。
命の危険を晒さねばならないのだ。


「私たちがこうした話をしている時間も惜しいということですね」


「そういうことだ。まぁ、お主の意見など初めから聞くつもりなどなかったがな。久しぶりの再会だったから聞いてみたまでよ」


シャルル陛下がそう言ったと同時に私の背後にゾロゾロと騎士団たちが武器を手に囲ってきた。


「私は彼らを助けた上にその対価として、あの薬のことを黙っておいてと言ったのにその約束まで破られ、今度は武器を向けられるって一体、どこまで人を馬鹿にしているのですかね」
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