絶対に間違えないから

mahiro

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「お帰りなさい。表情が暗いけど、何かあった?」


もしかして口喧嘩でもしたか?とも考えたが、2人が喧嘩をしているところなど見たことがない。
怪我もしていないようだし、どうしたのだろう。
ファミリアはファミリアで珍しく表情が暗いし、嫌な予感がする。


「収穫祭は楽しかったです。珍しいお菓子とか、催しとかあって。でも」


リリはそう言うと口を紡ぎ、手を身体を震わせた。
その肩をロンは抱き寄せ眉を潜めた。


「遠方から来たという騎士団の方々が、突然体調不良を訴えたんです。そこに聖女様が現れ治療に当たっていたのですが、その方に見覚えがありました」


2人の代わりにファミリアが口を開き、その先の言葉をいって良いものかと悩んでいるようだった。
騎士団、聖女様、と聞くだけで彼らを思い出してしまうし、リリとファミリアの様子からして嫌な予感しかしない。


「………その人たちのことも気になるけれど、数時間、ここにも騎士団の人が来て体調不良を訴えて来たんだ。もしかしたら、その人たちもそれと関係しているのかもしれないな」


少し話をずらし、こちらの状況も伝えてみればファミリアの顔色が青ざめていた。


「店に、何方かいらしたのですか?」


「あぁ。治療して帰したよ」


何でもないように返答を返したが、ファミリアは自分がいない間にそんなことがあったのかとショックを受けているようだった。


「ロン君、リリのことを無事送り届けてくれてありがとう。今日はもう遅いから、また明日リリと遊んでくれるかな?」


これ以上、この状況を理解できていないロンを居座らせてもロンも居心地が悪いだろうし、こちらも容易に説明が出来ないので心苦しい。
あえてそう声をかけると、納得は出来ていないものの、首を縦に振った後、リリにまたね、と声をかけて店を後にした。
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