カランコエの咲く所で

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俺に夢か現実か判断できれば良いのだが、そんなことが出来るわけもなく。
ゲルハルトやヨーゼフに本物だと言われても、信じて良いのかさえ分からない。


「誰を信じれば良いのか分からないな」


食後にボソッと呟いたそれをゲルハルトに聞こえてしまったらしく、目がバッチリ合ってしまった。


「何が？」


「いや、その、ヨーゼフやゲルハルトは現実に起こっているものなのか魔法を使ったものなのか判断つくけど俺は何も分からないんだよ。そんなときに誰の言葉を信じたら良いのかなぁって思って」


「俺だけ信じてれば良いじゃない。その他の人の言葉なんて信じなくて良いよ」


迷いなく答えるゲルハルトに、俺は恐る恐る問いかけた。


「もし、ゲルハルトに扮した偽物だったら？」


「そうだなぁ………確かにイヴは分からないかも。そうしたら、俺とイヴにしか分からない合言葉を決めておこうか。どっちか判断つかないときに、お互いに合言葉を言い合ってあってる場合には本物、誤っているときは偽物。ねぇ、簡単で良いでしょう？」