カランコエの咲く所で

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何も知らないならこれから知っていけば良いと、そう意気込んだ所までは覚えている。


「………何処だここ」


でも、また気付いたらこの薄い黄色の壁に囲まれた部屋にいた。
ゲルハルトの家の中にこんなところはなかったはずだ。
まさか、彼らの術中にハマったとでもいうのだろうか。
いや、でも彼らの記憶はゲルハルトが消してきたし、その組織には村長が直接向かい内部調査を開始する所だと言っていたから勝手な行動は取れないと思うが。


「………ブ…………イ………」


幻聴なのか人の声のようなものが聞こえてきた。
それが誰の声なのかは特定出来ないが、部屋の奥の方からそれは聞こえる。
近付くべきくかどうか迷うが、じっとしたまま
でいるわけにもいかず、恐る恐るそちらへ近付いてみることとした。


「お………て…………き………」


さっき聞こえてきた内容と異なるものが聞こえてきた。
一体誰が何と言っているのだろう。