カランコエの咲く所で

mahiro

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それから五年が経過した。
その間に何度もイヴに会いに行こうとしたけれど、エクベルトやゲルハルトさんに邪魔されて会うことは叶わなかった。
僕のかけた魔法がかけられてる感覚、それだけが僕がイヴに幸せな夢を与えられているのだと感じられるものだった。


ある日突然、それは起きた。


「え………」


いつも何もなく繋がっていたそれに鋭いナイフが突きつけられ、何度も切りつけられた感覚がしたのだ。


「何が起きて………」


恐怖からなのか身体が震えてしまい、手に持っていた書物を床に落としてしまった。


「ヨーゼフ?どうかしたのかい?」


隣の棚の整理をしていたエクベルトが僕のいる方へと顔を向け、僕の顔を見るなり慌てて近寄ってきた。


「どうしたんだ?何があったんだい?」


恐らく顔面蒼白になっていたであろう僕の顔を見て、エクベルトは心配そうな顔で僕を見下ろしていた。


「………今、何か切られたような感覚がして」


震える声でそう言えば、そのタイミングで昔より表情が豊かになったゲルハルトさんが現れた。


「誰かがイヴに近付いたようだ」
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