カランコエの咲く所で

mahiro

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暫くしてゲルハルトが帰ってきた。
何やら表情が暗く、村長と話していたときに嫌なことでもあったのだろうか。


「お帰り、何かあったのか?」


俺が声をかけるとゆっくりと顔を上げ、表情を和らげた。


「ただいま、イヴ。ちょっとね………」


玄関から真っ直ぐに俺のいる位置まで来ると、床に胡座をかいて座った。


「彼等の目的、イヴも知りたいよね?」


「知りたい」


間髪空けずに答えれば、ゲルハルトは深く頷いてから、真っ直ぐな瞳を俺に向けた。


「例えばそれが、イヴにとって良い話でなくても?」


俺にとって良い話ではないとはどういうことだろうか。
例えば、俺の能力開花が遅いのは俺自身のせいだったとかそういうものだろうか。
他に考えられるとしたら、実はヨーゼフは助けられていなかった、とか。
そんなの考えただけで、血の気が引きそうだ。
だけど、それを知らずに生きていくのだけは嫌だ。


「それでも、知りたい」


「………分かった。これから嫌な話が出てくると思うけど、聞いてほしい」
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