カランコエの咲く所で

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出発の合図も何もなく飛ばされたのは、見たことのない大きな機器に囲まれた部屋の中だった。
キョロキョロと回りを見ていたら、目の前から悲鳴が聞こえた。


「うぉあ？！誰だ、あんた？！」


何事かとそちらに目線を向ければ、白い白衣を着た髭の長いおじさんが目を見開きながらゲルハルトを見ていた。


「初めまして、ゲルハルトと申します」


爽やかな笑みと同時に、おじさんの目の前に急に人が二人出現した。


「貴方からお送られてきた二人ですが、用が済みましたのでお返ししに参りました。はい、どうぞ」


勢いよく放り投げられた二人をおじさんは受け止めようとするも、小柄なヨーゼフならまだしも長身で体格の良いエクベルトは受け止めきれるはずもなく、二人の下敷きになっていた。
それにしても偽物だとバレているにも関わらず、まだ彼らはあの二人の格好のままなのか。
いい加減元の姿に戻っても良いと思うのだが。


「重い！どけ、お前ら！」


おじさんがそう声を掛けるも、二人は返答もしない処か微動だにしない。


「聞いているのか？！」


まさか、殺したりしていないよな？