カランコエの咲く所で

mahiro

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「ご主人は迷惑だなんて思ってないよ?」


「………気を遣わせて悪いな、ジョゼ」


式にまで気を遣わせてどうするんだ、俺は。
これ以上迷惑をかけないように、動くしかないだろう。


「気なんて遣ってないよ?事実を言ってるだけだよ?」


「はいはい、可愛いなぁ、ジョゼ」


アワアワと慌てふためくジョゼの頭を両手で撫でていたら、洗面所から戻ってきたゲルハルトが羨ましそうにこちらを見てきた。


「良いなぁ……」


「あ、悪い。勝手にジョゼ撫で回してた」


いくらなんでも人様の式を撫で回すのはよくなかったか、と慌てて手を引っ込めればゲルハルトが首を横に振った。


「違う違う、イヴに撫でられたジョゼが羨ましいだけだから気にしないで」


「は?」


俺を羨んでいたのではなく、ジョゼを羨んでいたのか?


「何言ってるんだよ。俺がゲルハルトを撫でたら可笑しいだろうが」


「可笑しくないよ!」


「そんなことより早く行くぞ。準備続けろ」


「はいはい」


仕方ないなぁ、と服を着替えるゲルハルトとその様子にホッとしているジョゼが視界に入った。


「どうした、ジョゼ」


「な、何でもないよ。イヴも準備進めないとね」
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